コーチングによる自己実現

ユングの意識構造モデル 精神的な豊かさ

こんにちは!

この記事では、2021年に約半年かけて受けてきたコーチングとNVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)について、記します。

コーチングを経験したことが無い人にも想像ができるよう、

  • コーチングとはどんなものか
  • 自分自身がこれまでコミュニケーションにおいてどんな課題を持っていて、どう改善してきたのか

リアルケースを含めて書くことで、「コーチングに興味があるけど迷っている」という方に有益なものになるようお伝えしていきます。

まず、なぜコーチングを受ける事になったか経緯から説明すると、これまで組織で働く中で、職員や協力会社の方々とのコミュニケーションで課題があると、上長に指摘を受けていました。

2020年度下半期は、上長にわたしの担当している案件にメンターとして入ってもらうことで、わたしのコミュニケーションの癖をメタ認知(自分の認知を客観的に捉えて、自分の認知を認知すること)し、どう改善できるのか二人三脚でメンタリングしてもらい、半年程の時間を掛け、改善の兆しが出ていました。

そこで、NPOの職員向けに継続して外部からコーチングをされている方を、NPO繋がりの知人に「私自身が本当に変わった」という声を聞き、紹介をいただき2021年3月からコーチングを受け始めました。

自身の課題

ここでは、コーチングを経験したことが無い人にも想像ができるように、初回にあたるコーチングにおける自身とコーチの対話を紹介していきます。

はじめに、初回のため自身の悩みを共有した上で、コーチからコーチングとはどんなものかを説明いただき、対話セッションに入りました。

私の悩みは以下のように、課題内容/それが起きる原因(上長とのメンタリングでメタ認知してきた事)/そして自身の癖と、3つのポイントでお伝えしました。

  • 課題:チームや協力会社と気持ちよく働けない時がある。
  • 原因:話の方向性/粒度/意図/伝え方が適切でないことがある。
  • くせ:相手の立場に立つのが苦手である。

更に、これまでの改善の状況を共有し、コーチがイメージできるよう以下のような言葉も添えました。

実務的な部分ではなく、上司やチームメンバーとのコミュニケーションや、外部の協力頂いている方たちと仕事を進める中でモヤモヤする時があります。

コミュニケーションの仕方など対処療法的な改善(上司とのメンタリングによるもの)はしてきているのですが、自分自身の根っこから何か変化したいと考えています。

コーチングとは

自身の悩みをお伝えした後は、コーチからはコーチングとはどんなものかについて、下記の流れでご説明いただきました。

  • コーチングの定義
  • 内省の促進
  • 自己実現
  • コーチングの前提
  • コーチングによって得られる成果
  • コーチングの関連技法

それぞれ紹介します。

まず「コーチング」とは、

・クライアント(コーチングを受ける人)の内省を促進するための、質問を中心としたコーチとクライアントの対話。

・この対話によって、クライアントの自己実現あるいは目的達成を支援する。

・クライアントとコーチの対話は、主目的ではなく手段であり、クライアント自身の内省を深めることが主目的。

ということを聞きました。

続いて、「内省の促進」に関して説明がありました。

人の意識は、顕在意識・潜在意識・全体意識(集合無意識)の3階層に分けられ、階層が違うと、違うことを考えたり感じたりしていることがあります。

そして、人が自覚できる意識は顕在意識の中の、更に狭い領域で、状態によって入れ替わります。(下図の水色の点)

コーチングによって、自信のさまざまな意識に焦点を当て、様々な意識レベルで考えていること、感じていることを顕在化させ、その中から選択・意思決定を促進します。

ユングの意識構造モデル

「自己実現」について。

人には、さまざまな願望がありますが、その願望が自身のどんな欲求に紐づいているかを自覚することはまれです。

自己実現は自己肯定感を上げ、人生を充実させ、結果として大きな社会的価値(=創造)を生み出しますが、承認欲求以下はすべて「欠乏欲求」に分類され、不足している(と感じる)ものを補う(「-」→「0」)ための欲求であり、多くの迷いは欠乏欲求に翻弄されることから生じます。

コーチングの扱う理想的なテーマは自己実現ですが、その土台にある欠乏欲求の扱い方も焦点を当てます。

マズローの欲求段階説

「コーチングの前提」では、

  • 全てのクライアントは無限の可能性を持っており、答えはクライアント自身の中にある
  • コーチとクライアントは対等な関係で、意図的に協働する(クライアントの積極性
  • 目的に関わらずクライアントの人生全体を取り扱う(仕事やプライベート全てを扱う)
  • クライアントとコーチは上記3点を前提として合意し、コーチングを進める。コーチが助言することはあるが、それはクライアントの内省を引き出すため。

ということを聞きました。

「コーチングによって得られる成果」について。

大枠として下記のように、3つの成果に関するフレームが想定されます。

最後に「コーチングの関連技法」について。

より生産的にコーチングを進めるために、関連する4つの技法も活用します。

■メンタリング:先輩(先達)が学習者に自身の経験に基づき助言やガイダンスを提供する

■トレーニング:スキルの開発に焦点をあてて指導する実践・訓練・ロールプレイ・実験・・・

■セラピー・カウンセリング:心理的に行き詰っている人の問題や傷阻害要因(思い込み)に焦点をあて直す

■コンサルティング:特定の分野に精通したコンサルタントがその分野に関する情報を提供し、選択肢を示唆する

リアルケース(初回のセッション)

実際のコーチングセッションは、コーチとクライアント(わたし)がどのように対話をするかイメージができるように、会話形式で書いていきます。

 ※記憶による会話のため、言葉じりや表現は異なるものはあります。

コ:コーチの発言 た:私の発言

コ:コーチングでの対話では7割は身体、3割は頭に意識することが大事です。

コ:ホワイトカラーの仕事では、ロジカルシンキングなど脳や頭に意識が行きがちな人が多く、一呼吸をして、自分の手先や足先を感じることで、身体と繋がっている心や気持ちをより感じられるようにします。
コ:はじめに対話を始める前に、一緒に深呼吸をして、身体に意識を持っていく練習を何度かしてみましょう。

コーチと一緒に深呼吸をして、身体に意識を持っていく練習中・・・

コ:どうですか?今どんな状態ですか?何を感じますか?

た:普段仕事では中々感じない状態と言いますか、んー、手の脈も感じるし、心臓の動く鼓動も感じるし、指先の温かさも感じます。

コ:すごく良いと思います。きちんと感じられない人もいますが、ちゃんと感じられてると思います。こういうセッションをしたことがあるんですか?

た:デトックスキャンプなどをしたことがあり、自然や自分の気持ちに意識を持っていくことは何度かしたことがあるからかもしれないですし、普段からアウトドアや熱帯魚を飼っていたり家庭菜園をしたりしているのもあって、身体に意識を持って行くのは苦手じゃないと思います。

コ:確かにそういうことは繋がっているかもしれません。

ここからは、チームメンバーとのコミュニケーションの悩みをお伝えしました。

コ:人にはキャパや処理できることが決まってますよね。

コ:人の覚えられる情報量をメモリ、情報を処理できるスピードをCPUに例えてみましょう。

コ:Aさん(仮名)のその時のメモリは溢れていなかったですか?CPUは処理できていましたか?

た:Aさんの顔の表情や自分の話していることを受け止めてもらえているか、もっと感じることができたら、もっと良い会話ができたかもしれないです。

コ:相手の立場に立つということは、今たまさん(私)が言っていたような観察力や想像力が大事かもしれないですね。

コ:その時のたまさんはどんなところに意識が向いていました?

た:Aさんとその話をしてた時は、やるべき事やどうアクションするかなど『コト』に集中していて、身体よりは脳に意識が行っている自分がいたかもしれないです。普段から身体より脳や頭に意識が行ってしまう自分がいるかもしれないです。

コ:癖として脳に意識が行ってしまう自分がいるなら、例えば、実験で使うラットを観察するイメージでなく、社交ダンスのパートナーのように相手の動きや表情を見ながら、自分のコミュニケーションを変えることが大事。

コ:どうしたら自分の中で、意識ができそうだと思いますか?

た:今脳に集中しているのか、身体に意識が向いているのか、『自分のモード』を感じる習慣づけをして、自分の意思で切り替えていけるようになると良いかもしれないです。

た:ただ、意思で変えるのは苦手と言いますか、意思でどうにかするというのは根本的に直すのが難しいかと思ったんですが、どうなんでしょう?

コ:転んで立ち上がって歩く練習をしないと、前に進めないですよね。エリートの人は負けることや素直に受け止めていける人たちが少ないのですが、まずはコーチングの時間や次回までに練習してみることが大事だと思います。

コ:Aさんとの会話が良くなることで、(私の働くNPOが国際協力の活動をしているため)世界を良くすることにも繋がりますよね。転んでも良いと思えると、自分にもメイトにも優しくなれますよ。これが失敗したら一緒に考えましょう。

コ:そうしたら、まず次回までに何をやってみますか?

た:AさんとZOOMする前に30秒深呼吸をして、身体に意識を持って行って、脳モードでなく身体モードの自分で会話してみて、相手の立場に立つためにももさんの顔や表情を観察したり気持ちを想像して、会話するようにしてみます。

コ:良いですね。それじゃあ、それを次までのアクションとして、次回どうだったかお話しましょう。

コ:そして何か観察して一つでも発見してみましょう。人と会った時話した時に何か発見してみてください。

コ:今日セッションをやってみて、どうでしたか?今どんなことを感じてますか?

た:今日話してみて、その時その時の自分の状態が、頭にいっているのか腹にきているのかというイメージや、相手の表情を観察できているのか、など今日の対話を通じて、どうありたいかどうあればより良いかを考える機会になって、自分の状態を感じることができました。

実際には、自分の想いや感情を振り返るために、対話や深呼吸や身体を感じる時間などが発生していて、文章に起こせてない部分もたくさんありますが、コーチングセッションをする時のイメージを感じてもらうことが主旨として簡単にご紹介しました。

※2回目以降のセッションについては、今回の記事では長くなってしまうので省略します。

コーチングで学んだこと・組織が活かせること

▼コーチング関連

癖や意識や感情など自分だけでは振り返りにくい事でもコーチと一緒であれば、深く内省ができることを体感しました。

  • 組織の関係性を整えるためには、伴走型のコーチングが意味があることを体感した。
  • 決めたアクションでも、うまくいくこと・うまくいかないことがあり、コーチと考えていくことは有効だと分かった。
  • 仕事の成果だけでなく、組織の「ヒト」同士の関係性が整うことが大事なことを体感した。

▼NVC(非暴力コミュニケーション)関連

課題に挙げていた「方向性/粒度/意図/伝え方」は根本的に変わらないとしても、言葉遣い/声のスピード/声のトーン/表情/想いやりなどコミュニケーションが変わることで、人との関係性は良くなることを体感しました。

  • 「こうあるべき」という「正しさ」を優先していた自分がいて、相手の気持ちや「思いやり」を軸にしたコミュニケーションが以前よりできるようになった。
  • 組織の関係性が良くなることで、「メンバーは優秀なのにパフォーマンスが高くない」という事象が改善されることを分かった。
  • 癖を直すためのトリガーやおまじないを作っていく時間を作り、声のトーン/声のスピード/自分の向いている意識などを、変えることができた。
  • 相手が間違っていると考えるのではなく、自分とは違う視点があるのだと受け止めることで、良好な人間関係を築くことができるだけでなく自分の成長にも繋がる

さいごに

コーチとのセッションを通して、周りからも「〇〇さん変わったよね」「〇〇さん変わったよ」と言ってもらうこともあり、自身としての感覚だけでなくメンバーとチームワークやコミュニケーションについて数字に落とし込んだり言語化して振り返ることを続けていて、チームワークもかなり良くなってきた感覚を持っています。また、モヤモヤが発生したらその都度チームで共有しながら進めているため、自身もメンバーもわだかまりや不満ごとは抱えずに、仕事に取り組むことができていることをチームで確認し合うこともできています。

最後に、この記事では詳しくお伝え出来なかったNVCについての参考書籍もご紹介します。

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法

NVCに関しては、現代社会でより必要になってくるテーマともいわれているため、別の記事でも機会があれば書きたいと思います。

この記事では、自身の課題や課題解決のためのコーチングやNVCについて触れました。

自分の本来押しつぶしてしまっているあり方や、ありのままに生きる、生き方や暮らし方を見直して、精神的な豊かさを考えたいという方は、今回の記事だけでなく、ぜひこちらの記事も見てみてください♪

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コメント

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